退職代行サービス「モームリ」は2025年4月1日、公式X(旧Twitter)で同日に134名から退職代行の申し込みがあったことを公表しました。
そのうち5名は新卒社員であり、多くの企業で入社式が行われる日に、入社初日で退職を決断する事例が注目を集めています。
新卒社員が入社初日に退職を選ぶ背景には、企業の労働環境や入社前の説明と実態の違い、精神的なプレッシャーなど、さまざまな要因が考えられます。
本記事では、具体的な退職事例を紹介するとともに、新卒社員が退職に至る背景や企業の対応策について詳しく解説します。
新卒社員の主な退職理由

事務関連の女性社員のケース
入社式中に社長とトラブルになり、大勢の前で怒鳴られた上、廊下で厳しく説教を受けました。
突然の出来事にショックを受け、精神的な負担から退職を決断しました。
医療関連の男性社員のケース
入職前の研修で講師から「看護学生と社会人は違う」などの厳しい発言を受けました。
その言葉が脅しのように感じられ、自信を喪失した結果、入職当日に退職を決めました。
教育関連の男性社員のケース
業務内容を想像するだけで吐き気や鬱状態に陥り、働ける状態ではないと判断しました。
精神的な負担が大きく、入社を続けることが困難になったため退職しました。
飲食業の女性社員のケース
期待していた接客業務と実際の業務にギャップがあり、やりがいを感じることができませんでした。
自分が望んでいた仕事とは違うと感じ、早期退職を選択しました。
事務関連の女性社員のケース
心身の不調により、正社員としての勤務が困難になりました。
健康面の問題が解決できず、入社初日に退職する決断をしました。
退職の背景と新卒者に共通する課題

入社前の説明と実際の職場環境の乖離
モームリは、新卒者の退職の背景として「入社前の説明と実際の職場環境の違い」を指摘しています。
企業説明会や求人情報では理想的な環境がアピールされる一方、実際には過酷な労働環境が待っていることも少なくありません。
このギャップが新卒者の失望を招き、早期退職につながる要因となっています。
企業の旧態依然とした風土
過去にも「社訓の強制や矛盾した指示」など、企業文化の問題が原因で退職する事例が報告されています。
特に、トップダウンの厳しい指導や精神的な圧力が、新卒者にとって大きなストレスとなるケースが目立ちます。
精神的・肉体的な負担の増大
入社直後から厳しい研修や指導が行われる職場では、新卒社員が精神的・肉体的に追い詰められることがあります。
こうした環境が、新卒者の早期離職を引き起こす要因となっています。
退職代行サービスへの依頼状況

雇用形態別の退職依頼の内訳
- 正社員:96名
- パート・アルバイト:20名
- 契約社員:7名
- 派遣社員:4名
- 新卒社員:5名
新卒者の割合は全体から見ると少ないですが、入社初日に退職する事例が目立つことで、企業の採用プロセスや労働環境のあり方が問われています。
企業に求められる対応策

採用時の情報提供の透明性を高める
企業は採用活動において、職場環境や業務内容をより具体的に説明することが求められます。
入社後の現実と大きなギャップがある場合、新卒者の失望につながり、早期離職の原因となります。
新入社員のメンタルヘルスケアの強化
厳しい指導や過度なプレッシャーを与えるのではなく、新入社員が安心して働ける環境を整えることが重要です。
メンタルヘルスケアの充実やカウンセリング制度の導入が、早期退職の抑止につながります。
企業文化の見直しと職場環境の改善
パワハラや過度な精神的圧力を排除し、働きやすい職場環境を整備することが求められます。
特に、新卒社員に対しては、適切なフォローアップとサポート体制の構築が不可欠です。
まとめ
- 新卒社員の入社初日退職が注目されている状況です。
- 退職理由として、職場環境のギャップや精神的負担が挙げられます。
- モームリの報告によると、新卒社員5名が退職代行を依頼しました。
- 企業の採用時の説明と実際の労働環境の違いが問題となっています。
- 企業はメンタルヘルスケアの強化や職場環境の改善が必要です。
- 早期退職を防ぐために、採用プロセスの透明性を高めることが求められます。