あなたも「屋根工事は信頼できる業者に頼めば安心」と思っていませんでしたか?
実は今、屋根の点検や修理を装った悪質な「屋根リフォーム詐欺」の被害が、過去5年間で約3倍に急増しています。
国民生活センターによれば、2018年度の相談件数923件が、2022年度には2,885件に。被害の8割以上は60歳以上の高齢者で、災害後や台風シーズンに急増する傾向があります。
この記事では、その背景・手口・対策を徹底解説します。
■記事のポイント
- 屋根リフォーム詐欺の被害件数は5年間で約3倍に増加
- 高齢者が主なターゲットで、災害直後に多発
- 情報の非対称性と心理的不安を悪用する巧妙な手口
【速報】屋根リフォーム詐欺被害が急増する現状
国民生活センターの最新統計では、「屋根工事の点検商法」に関する相談件数が、2018年度の923件から2022年度は2,885件へと3倍以上に増加。
特に2022年は契約件数2,642件のうち、60歳以上が2,128件(約80%)を占めています。
この数字は、かつて社会問題となったオレオレ詐欺被害件数(4,287件/2022年)の約3分の2に迫ります。
【詳細】増加背景にある3つの要因
屋根工事業者支援サイト「やねプロ」運営の明正剛典氏によれば、被害急増には以下の3要因が重なっています。
- 高齢化:判断力の低下や孤立化により相談相手がいない
- 情報の非対称性:屋根は一般人が確認できないため業者情報を鵜呑みにしやすい
- 不安の煽り:「台風で瓦が飛ぶ」「雨漏りが起きる」などのリスク強調
【比較】他の訪問販売詐欺との件数比較
詐欺種別 | 2018年度 | 2022年度 | 増減率 |
---|---|---|---|
屋根リフォーム詐欺 | 923件 | 2,885件 | +212% |
オレオレ詐欺 | 9,145件 | 4,287件 | −53% |
水道工事詐欺 | 1,120件 | 2,050件 | +83% |
【解説】屋根リフォーム詐欺の典型的手口
多くの手口は「無料点検」を入口にしています。業者が突然訪問し、
「屋根瓦にヒビがある」
「このままでは近所に被害が出る」
と不安を煽ります。
その後、加工済みの破損写真を見せたり、相場の数倍の見積もりを提示。
契約を急がせるために「今すぐ工事すれば安くできる」などの限定条件を出すのが特徴です。
【注目】災害後に被害が急増する理由
台風や地震などの直後は、正規の地元業者が修理依頼で手一杯になります。
この隙を突いて、全国から流れ込む悪質業者が「応援で来ました」と称し契約を迫ります。
2019年の房総半島台風では、こうした災害便乗型の詐欺が多発しました。
【防止策】被害を避けるためのチェックリスト
- 突然の訪問業者は相手にしない
- その場で契約や現金支払いをしない
- 工事の必要性は第三者に確認する
- 複数社から相見積もりを取る
- 契約書・見積書の詳細を必ず確認する
【専門家の声】
「屋根は消費者が直接確認しづらく、情報格差が非常に大きい分野です。詐欺防止には家族や地域での情報共有が不可欠です」
【FAQ】屋根リフォーム詐欺に関する5つの疑問
Q1: 無料点検は安全ですか?
A1: 安全ではありません。詐欺の入口となるケースが多いです。
Q2: 屋根修理の適正価格は?
A2: 材質や面積によりますが、数十万円〜200万円程度が一般的です。
Q3: 被害に遭ったらどうすれば?
A3: 消費生活センターや警察に速やかに相談してください。
Q4: 高齢者の家族が注意すべき点は?
A4: 訪問販売業者からの電話や来訪を共有し、必ず相談させる体制を作ることです。
Q5: 災害後はどう対応すべき?
A5: 地元の公的機関や信頼できる業者に依頼してください。
【まとめ】地域と家族の連携が最大の防御策
屋根リフォーム詐欺は、2018年度の相談件数923件から2022年度には2,885件へと約3倍に急増し、特に60歳以上の高齢者が8割以上を占めています。
背景には高齢化、屋根という見えない場所ゆえの情報格差、不安を煽る巧妙な心理操作があります。
台風や地震など災害直後には、悪質業者が「応援に来た」と称して契約を迫るケースも多発。
被害を防ぐには突然の訪問業者を相手にせず、必ず第三者の確認と相見積もりを取りましょう。
家族や地域で情報共有することが最大の防御策です。