「借入可能額を2人分にすれば、理想の家が届く」──住宅価格の高騰と共働き世帯の増加を背景に、ペアローンの利用が急伸しています。
ところが現実には、離婚やどちらかの離職・病気、金利上昇などで返済計画が崩れ、売却しても残債が出る“オーバーローン”に陥るケースも。家を守りたい気持ちと家計の限界の狭間で、多くの家庭が難しい判断に直面しています。
本記事では、最新データでリスクを可視化し、破綻を避けるための設計ポイント(返済負担率、金利選択、団信、出口戦略)を体系的に解説します。読み終える頃には、ペアローンでも単独ローンでも「持続可能な返済計画」を自分で組み立てられるようになります。
- ペアローンは「借入額を増やす」一方で、離婚・離職・病気・金利上昇で脆弱化しやすい
- 最新調査で、ペアローン・収入合算の合計は約4割まで拡大。変動金利は約8割、返済期間は長期化傾向
- 設計の肝は「返済負担率(可処分比)」・「クッション資金」・「金利の耐性」・「出口の合意書」
- 団信は“夫婦連生型”の選択肢も。片方の万一で世帯全体の残債をゼロにできる商品がある
- 最悪時の出口(任意売却・借換・リースバック)を事前合意。税・登記・持分もチェック
住宅価格高騰の中で、何が起きているのか?
家賃と同額の返済で新築・好立地が狙える──そんな宣伝と試算表に背中を押され、頭金ゼロ・高倍率で購入。数年後、育休・転職・病気・離婚などで収入が揺らぐと、2本のローンは一気に重荷になります。売却しても“買値より安い”局面では残債が発生し、住めない家の返済だけが残ることも。だからこそ「買う前に、壊れた場合の出口まで決めておく」が鉄則です。
すべては「借入額の最大化」から始まった
共働きの一般化、実質賃金の伸び悩み、建築費・地価の上昇が重なり、「世帯年収をフルに使う設計」が普通になりました。金利は長らく低水準で、当初返済額は軽く見えますが、変動金利の比率が高く返済期間も延びています。耐性のない家計に“想定外”が来ると、家計の安全余力が尽きるのです。
数字が示す「脆さ」と「広がり」
まとめ
住宅価格の高騰と共働き世帯の増加により、ペアローンは多くの家庭にとって「理想の住まいを手に入れるための選択肢」となっています。
しかし同時に、離婚・転職・病気・金利上昇など、生活の変化に直面したとき大きなリスクを抱えることも事実です。売却しても残債が残る“オーバーローン”や、返済計画の破綻は決して他人事ではありません。
だからこそ重要なのは、購入前に夫婦間で出口戦略を合意しておくこと、返済負担率やクッション資金を確保すること、そして団信や金利設計を現実的に検討することです。
ペアローンは正しく使えば大きな力になりますが、安易な借入は家庭の重荷になりかねません。
本記事で紹介したリスク回避策を参考に、二人の将来を守れる「持続可能な住宅ローン設計」を考えることが、安心して家を持ち続けるための第一歩なのです。
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