2022年12月、元CBCテレビアナウンサーの江田亮さんが、労働組合費約4000万円を横領していたことが報道され、大きな波紋を呼びました。
本人が語った“地獄の投資体験”と、そこからの転落人生には、金融リテラシーや職業倫理の欠如が浮き彫りになっています。
✅ チェックリスト:事件の要点
- 事案:元テレビ局アナによる組合費横領
- 発生場所:CBCテレビ(名古屋市)
- 発生時期:2020年から2022年にかけて
- 被害額:総額約4000万円
- 話題性:本人が詳細に語る異例の内幕
- 注目理由:投資依存と職業倫理崩壊の象徴的事件
キャリアの裏で進行したこと

江田亮さんは、神奈川県出身。名門高校で野球を経験し、早稲田大学からCBCテレビに入社したエリートアナウンサーでした。
ラジオ実況からプロ野球中継まで幅広く活躍していた彼が、なぜ組合費を不正に利用したのか。その背景には「成功体験」による慢心と、資産運用にのめり込む心理の落とし穴がありました。
2020年、彼は投資信託の資金として労組費から200万円を抜き取り、運用益で一時は返済。
これが“成功体験”として脳裏に焼き付いたことが、泥沼の入口となったのです。
労働組合費とは?
江田は先輩からの引き継ぎで、CBC労働組合の財務部長を務めることになった。
労働組合費というのは、ストライキなどの際に使われる「積立金」のようなもので、江田はその管理を任されていたのだ。
ただし、これは本業のアナウンサーの仕事と兼務での業務だった。
財務部長と言っても、その仕事内容は決して複雑なものではない。
組合の役員が使った経費の領収書を受け取り、組合長の承認をもらって実費を払い戻すという、事務的な作業が中心だった。
投資依存が招いた破綻の構図とは?
江田さんは2021年以降、投資に“勝ち続ける自分”を信じ込み、より大胆に労組費へ手を伸ばしていきます。
ETFや個別株の短期売買、さらには信用取引へと移行し、わずか数日で数十万円の利益を重ねることもありました。
しかし、2022年にロシアのウクライナ侵攻をきっかけに市場が不安定化し、損失が膨らみ始めます。
特に注目すべきは、石炭関連株の短期売買で1日250万円の利益を出した直後、逆張りで500万円の損失を出すというジェットコースターのような投資行動です。
結局、総額3200万円を横領し続けながら“取り返そうとする投資”を繰り返す姿は、依存の典型といえるでしょう。
隠蔽工作のズサンさで発覚?
2022年5月、決算発表をめぐり株価が急騰し、江田さんは横領金を全額返済。それでも帳簿をすり替えるために通帳を新調し、100万円単位で資金を戻すという稚拙な隠蔽行為を行います。
7月の組合役員交代後、そのズサンな帳簿処理が疑念を呼び、11月に組合からの追及によって事件は発覚しました。
CBCテレビはこの件に関し「在籍は事実だが、退職者につきコメントしない」との立場をとっています。
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
氏名 | 江田 亮(えだ りょう) |
出身地 | 日本・神奈川県川崎市 |
生年月日 | 1989年4月19日(36歳・2025年現在) |
血液型 | O型 |
最終学歴 | 早稲田大学商学部 |
職歴 | CBCテレビ |
活動期間 | 2013年 – 2022年 |
ジャンル | スポーツ・情報系 |
配偶者 | 岡田愛マリー(2018年 – 2023年5月) |
公式サイト | 江田亮 オフィシャルウェブサイト |
主な出演番組 | CBCドラゴンズナイター、S☆1 BASEBALL、J SPORTS STADIUM、チャント!、キユーピー3分クッキング |
備考 | 2022年に労働組合費4000万円横領が発覚しCBCテレビを退社 |
被害額と本人の現在の状況は?
投資に使われた資金は最終的に返済されたものの、江田さんはその後も個別株取引を続け、追加で約2000万円の損失を出したとされています。
これにより、残った金も消え去り、離婚、退職、うつ状態による療養。2025年3月に退職。同年4月よりフリーアナウンサーとして活動を開始。
本人は「こんな未来が待っているとは思わなかった」と語ります。アナウンサーとしてのキャリアも家庭も失った今、フリーとして再起を目指していますが、その道は平坦ではありません。
類似事件との比較
比較項目 | 本件(江田亮) | 類似事件(例:元テレビ朝日社員の不正支出) |
---|---|---|
被害額 | 約4000万円 | 約1000万円 |
主体 | アナウンサー | 管理職社員 |
不正期間 | 約2年半 | 約1年 |
動機 | 投資による利益 | 私的出費の補填 |
対応 | 自主返済・退職 | 懲戒解雇・刑事告訴 |
江田さんは刑事告発を受けていませんが、倫理的責任は極めて重く、公的資金に対する認識の甘さが問われる事案です。
FAQ:よくある質問とその回答
Q1. 江田さんは逮捕されたのか?
A1. 現時点で刑事事件化はされていません。
Q2. 横領金は全額返済されたのか?
A2. 投資による収益から返済されましたが、詳細な精査は不明です。
Q3. 労働組合はどう対応したのか?
A3.事実を社内公表し、江田さんの職務からの除外と弁護士を伴う追及を実施しました。
Q4. 現在の江田さんの職業は?
A4. フリーアナウンサーとして再起を模索中で、無職期間もあります。
Q5. なぜ刑事処分になっていないのか?
A5. 組合費の返還と組織内処理にとどまっているため、刑事告発が見送られた可能性があります。
🖋まとめ:人としての限界とは?
江田さんの事件は、メディアの最前線に立つ人間であっても、倫理観の揺らぎがすべてを崩壊させることを示しました。
「何でもできる」と信じていた若き日の自信が、やがて“過信”へと変わり、人の金に手を出すという一線を越えてしまった――。
彼が語った「震える手でトイレに座り込んだ午後三時」こそ、現代社会の“競争と成果”に押し潰される個人の姿を象徴しています。
再びマイクを握る日が来るのかは分かりません。しかし、過ちの記憶を背負って歩むその姿は、社会全体が持つべき「信頼」と「自制」の重さを問いかけています。