高齢女性が、「金澤警察」名乗る詐欺被害! 約1160万円をだまし取られる

全国的に続発している特殊詐欺事件のなかで、またしても高額の被害が発生しました。

今回の舞台は京都市で、犯人は架空の警察組織を名乗り、高齢者を巧妙にだまして現金を引き出すという手口でした。

ここでは、事件の詳細と詐欺の手口、さらに一般市民がとるべき対応策について詳しく解説します。

目次

事件の概要

2025年4月21日、京都市下京区に住む85歳の女性が、特殊詐欺の被害に遭ったことが明らかになりました。

発表したのは京都府警下京署です。同署によると、女性の携帯電話に3月13日ごろ、

被害者のもとに「金澤警察」と名乗る人物から携帯電話に連絡があり、「あなたは犯罪を犯している」「お金の流れを確認する必要がある」などと告げられました。

さらにその後、警察官や検察官を装った人物が登場し、「調査のために現金が必要」と説明しました。

高齢女性は不安を抱えたまま犯人の指示に従い、男らの側で用意した女性名義の口座に現金を振り込むよう指示され、今月18日までに計3回送金した。

被害者は真に警察官であると信じ込まされてしまったとされています。

現時点では犯人は逃走中であり、警察は防犯カメラ映像の解析などを通じて犯人の特定を急いでいます。

詐欺の手口

今回の詐欺は、いわゆる「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」とは異なり、公的機関を装うという巧妙な形式をとっています。

犯人たちは警察や検察といった公的権力を装い、言葉巧みに被害者の信頼を獲得し、現金を引き出しました。以下のような流れが確認されています。

偽の警察からの電話

最初に被害者の携帯電話に「金澤警察」と名乗る人物から電話がかかってきました。

その際、「あなたは犯罪に関与している」「調査が必要」などと語り、恐怖心をあおるような言動がなされました。

実在しない警察署名を使って混乱させるのは、最近増えている手口です。

公的機関を装う犯人たち

その後、別の男が検察官を名乗って電話口に登場し、「このままでは逮捕される」「身の潔白を証明するために協力が必要」などと言い、被害者の心理的な圧迫を続けました。

そして「証拠としての現金を提出すれば調査後に返却される」と説明し、現金を用意するよう求めました。

同様の事件の拡大と警察の対応

このような手口は全国的に広がっており、警察庁も対策を強化しています。

特に高齢者を狙った詐欺が多く、警察官や検察官を名乗るという点で共通しています。

過去には同様の手法で数百万円から数千万円の被害が確認されており、京都に限らず東京や大阪、福岡でも類似事件が発生しています。

警察では、地域の高齢者を対象にした詐欺予防講習や、電話での詐欺対応の指導を進めています。

また、電話に録音機能や自動応答機能を備えた機器の普及を促進することでも対策が図られています。

一般市民がとるべき対応策

今回のような詐欺を未然に防ぐためには、まず正しい知識と対応力を身につけることが重要です。以下のような対策が有効とされています。

見知らぬ電話には出ない

まず第一に、見知らぬ番号からの電話には安易に出ないことが推奨されます。

特に固定電話を使用している世帯では、留守番電話設定を常時オンにしておくことで、不要な会話を避けることができます。

公的機関を名乗る電話は確認を

警察や検察を名乗る電話を受けた場合は、その場で対応せず、一度電話を切りましょう。

その後、各機関の代表番号に自ら電話をかけ、確認することが重要です。

本物の警察官が個人の携帯に直接電話をかけてきて、現金を要求することはまずありません。

家族や周囲に相談

不安を感じた場合には、すぐに家族や友人、あるいは自治体の相談窓口に相談することが重要です。

周囲の人と話すことで、冷静な判断を取り戻すことができるケースが多くあります。

防犯機器の活用

詐欺対策機能を備えた電話機や録音機能付きの通話装置を活用することで、犯人の言葉に惑わされにくくなります。

通話録音の事実が相手に伝わるだけでも、詐欺犯は逃げる傾向があります。

地域ぐるみでの対策

地域での見守り活動や、警察との連携による啓発活動も、被害防止に役立ちます。

町内会や自治体単位で防犯ネットワークを築くことが効果的です。

まとめ

  • 京都市下京区で、高齢女性が特殊詐欺の被害に遭いました。
  • 犯人は「金澤警察」などを名乗り、電話で不安をあおってきました。
  • 被害者は指示に従い現金、計約1160万円を送金しました。
  • 同様の詐欺が全国で多発しており、警察も警戒を強めています。
  • 公的機関は、電話で現金を要求することはありません。
  • 不審な電話には応じず、すぐ家族や警察に相談することが重要です。
  • URLをコピーしました!
目次