元ジャングルポケットの斉藤慎二氏が、TikTokのライブ配信を新たな活動の場として選び、視聴者数を急伸させている。2024年10月の契約解除後はバームクーヘン事業を開始したが、2025年6月に配信活動を再開。
8月14日のライブでは2千人以上が視聴し、ギフトも飛び交った。これまで芸人の再起といえばYouTubeが主戦場だったが、いま新たな潮流としてTikTokが浮上している。なぜ彼はこの舞台を選んだのか、その背景と展望を詳しく見ていく。
事件・ニュースの概要
2024年10月、吉本興業は元ジャングルポケットの斉藤慎二氏との契約解除を発表した。女性への性的暴行疑惑が報じられたことが理由とされ、斉藤氏はその後、芸能活動を休止。
活動停止期間中、彼は飲食事業に乗り出し、バームクーヘンを販売する「バームSAITOU」を立ち上げた。この事業は地域イベントや通販を中心に展開されたが、徐々に表舞台への復帰意欲を見せ始めた。
2025年6月、TikTokアカウントを開設し、同名義でライブ配信を開始。当初は数百人規模の視聴者だったが、8月14日深夜の配信では一時2千人を超える視聴者が集まった。
配信では人気ドラマ『半沢直樹』(TBS系)のモノマネを披露し、コメント欄は笑いや驚きで賑わった。
また、TikTokのギフト機能を活用して収益化にも成功。視聴者からは「やっぱり斉藤さんは面白い」との声も寄せられた。
日付 | 出来事 |
---|---|
2024年10月 | 吉本興業が契約解除を発表 |
2025年6月 | 「バームSAITOU」名義でTikTok配信開始 |
2025年8月14日 | 視聴者2千人超、ギフト多数の配信 |
背景と経緯
斉藤慎二氏は、2006年に「ジャングルポケット」として活動を開始。バラエティ番組や舞台で人気を集め、コンビは吉本興業の看板芸人の一組として定着した。
しかし、2024年10月に契約解除の発表があり、芸能界から一時的に姿を消すことになる。本人からの詳細な説明は限定的で、疑惑を巡っては賛否が渦巻いた。
活動休止中、彼が選んだのは飲食事業への転身だった。バームクーヘンは保存性や贈答需要が高く、地域イベントやオンライン販売に適している。地方での販売イベントやSNS告知を通じて事業基盤を築きながら、次第に配信活動への再挑戦を模索。
背景には、芸人としての知名度を活かしつつ、従来のテレビ出演とは異なる形で収益を得る方法を模索する必要があったことがある。
特にTikTokは、短時間で視聴者と直接つながることができ、動画編集の負担も軽減できるため、芸能復帰直後の活動プラットフォームとして魅力的だったと考えられる。
比較・類似事例
過去、不祥事やコンビ解散を経験した芸人がネット配信で復帰を果たした事例は少なくない。宮迫博之氏はYouTubeでの料理動画やコラボ企画で活動を再開し、一定の再評価を得た。また、元アイドルや俳優が「17LIVE」やInstagramライブで復帰の足掛かりを作る例もある。
しかし、TikTokを主戦場に選ぶ芸人はまだ少数だ。YouTubeは収益化条件や動画編集スキルが求められるのに対し、TikTokは配信開始のハードルが低く、拡散性が高い。さらに、ギフト機能による即時収益化やコメントとのリアルタイム交流が可能な点は、ライブパフォーマンスを得意とする芸人に向いている。
こうした点から、斉藤氏の事例は「芸人の再起プラットフォームの世代交代」を象徴する可能性がある。
SNSの反応
SNS上では、斉藤氏のTikTok復帰に対して賛否が明確に分かれている。
- 肯定的な意見
「やっぱり斉藤さん面白い」「ライブの即興感が最高」「芸人は芸で勝負してほしい」 - 否定的な意見
「不祥事は忘れてはいけない」「まだ早い復帰では」「被害者への配慮が必要」 - 驚きや中立的な意見
「TikTokでこんなに人集まるの?」「バームクーヘンやってたの知らなかった」
特に肯定派は芸のクオリティやライブ感を評価し、否定派は過去の疑惑や説明不足を問題視している。この温度差は、今後の活動においても続く可能性が高い。
専門家・関係者の見解
芸能評論家の一人は、「YouTubeは動画編集や企画作りの負担が大きく、再起直後の芸人にはハードルが高い。一方、TikTokライブは即時性が高く、視聴者との距離が近い」と指摘する。
また、デジタルマーケティングの専門家は「TikTokは拡散力がある一方で、炎上リスクも大きい。信頼回復のためにはコンテンツ選びと発言管理が重要」と警鐘を鳴らす。
芸人仲間の中には、配信の可能性を評価しつつも「過去の疑惑についてはしっかり説明した方がいい」という意見もあり、信頼構築と芸能活動のバランスが求められる。
今後の見通し・まとめ
今後、斉藤氏がTikTokで活動を続けることで、固定ファンの再獲得やコラボ企画への展開が見込まれる。一方で、過去の疑惑に関する説明不足や、炎上リスクへの対応は避けられない課題だ。
芸人の再起においてTikTokを活用する事例は増える可能性があり、斉藤氏の成功または失敗は今後の指標となる。視聴者の信頼をどう取り戻し、どのようなコンテンツで差別化するかがカギとなるだろう。